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仕事​

 

2009~

 
​佐代子さんとの出会い

ライオンとおばあちゃんの絵
​2023年暮れの話

時折訪れる街全体でフェスティバルが行われていました。

フリマにて、いい塗り下駄があり買い求めることにしました。

ただ、古い草履や下駄の鼻緒はすぐ切れてしまうので、

「新しいものにしたい。どうしようか?」と言ったら

お店の方が「ここなら鼻緒を変えてくれるよ」と

教えていただたほど近い所が佐代子おばあさまのお店でした。

その時、佐代子おばあさまは体調が悪かったにもかかわらず

引き受けてくださいました。私の連絡先にと名刺を置いて帰りました。

少しして、HPを見た佐代子おばあさまの息子さんから

おばあさまの絵を描いて欲しいと

連絡がありました。少々、以前の写真から絵にしてほしいとのこと。

お若い頃の笑顔の絵が欲しいのかな〜くらいに私は思っていました。

送られてきた写真を見て思わずニコっりしてしまいました。

すごくニコニコしてライオンの赤ちゃんを抱っこする佐代子おばあさまを含む微笑ましい家族写真でした。

なるほどーライオンとおばあさまをピックアップして絵にして欲しいわけね!

それでいい笑顔のおばああさまと凛々しいライオン君を一生懸命にかきました。

さて納品と出来上がった下駄の受け取りに伺いました。

 

お店に着くとたぶん家族全員でお出迎えくださいました。

普通の家で肖像画を頼むことは滅多にないだろうし……。

するととても、お元気そうな佐代子さん!

息子さんによると、実は佐代子おばあさまは今回はダメではないかというくらい体調が悪かったそうです。でも、仕事の依頼が来たことで張りがでてみるみる元気になられたこと。

それから、私の名前が貴代子で佐代子と似ていてそこも気になってくださったとのこと。

作品も気に入っていただけたようで、私もほっといたしました。

実は、鼻緒をすげることができるのは、その町ではもう佐代子おばあさまだけとのこと。

私はとても貴重な時間を過ごすことができたのだと自分でも驚きました。

後日、息子さんからのメールで、

この絵を遺影にしようかと思うくらい弱っていた、佐代子おばああさまは得意の横っ飛びができるくらい回復されたという、嬉しいメールでした。

私の絵が役に立ったという実感がこれほどにも出るお仕事をさせてもらえて

私も幸せだなと思わずにはいられませんでした。

​アクリル絵の具

 
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